一般質問#9 ①築4,50年が多い公共施設のこれからをデータ化すると恐ろしい

12月議会が終わりました。各地で議会は同じ時期にあるのですが、少しずれた隣の山北町議会の一般質問の傍聴に行けました。防災、農業、ゴミ処理施設、子育て… 隣町の問題意識は身近に感じられ、あらゆる分野で地域一帯の連携がますます必要になってくると感じました。

写真は昼休憩で歩いていた山北駅前。駅舎の古さが時代一回りしていい感じ。ちょうどバスが止まってました。

景気が良い時代に建てられた公共施設の老朽化は、今後10,20年どの自治体にもネック

開成町では、図書館新設が検討段階に入り、職員も視察を重ねているそうです。そこで、新たな施設を建てる前に、今ある施設は有効活用されているのか?見直しが必要では?という疑問から、今回の一般質問を行いました。(➡予告20秒動画)

背景として、景気が良い時代に建てられた多くの公共施設が老朽化、また人口構成や人々の生活も変化してきて、当初の目的と使われ方が変化してきています。開成町では、どちらにも当てはまるのが南部コミュニティセンター(どんぐり会館。1989年築の築35年)。次回に後述します。

今の時代、解体して建て直すことは簡単にはできず、補修工事を重ね「長寿命化」をしながら使い続けるのが現実的です。また、少子高齢化と維持管理にもお金がかかることから、統合したり複合化したりする事例が全国的に増えています。

公共施設の管理計画自体が、見直し段階。

開成町は、令和7~14年度という長期8年の町の次期総合計画を策定中です。(➡現在の第5次総合計画

「人口はどう推移していくのか」「どういう町にしていくか」といった町の将来像や目指すところを表す計画なので、それと大きく関わる道路整備等に係る都市計画一般質問#8)や、今回触れた公共施設の管理計画も現在、更新時期を迎えているのです。

この時代の変化で、先見も決断も簡単ではありません。加えて開成町は、新体制になってまだ2年未満。諸々の計画策定は大変なことです。

全体について捉えている町側の答弁

私はいくつかの施設を抜粋して有効活用を問うような質問構成にしたのですが、町長はやはり全体的な公共施設の老朽化について、問題意識を強く持っていることが言葉の端々で伝わりました。

鍵の貸し借りなどが建物によってバラバラかつ時代遅れ感は認識しており、ICT化で利便性を図る仕組みづくりが必要とのこと。

また、それぞれの施設について、将来どういう機能が必要になってくるのかを考えながら見直している段階、とのことでした。 したがって、個々の施設について今後の用途変更を今問われても、断言はできないというのが今の立ち位置です。 とは言っても役所の融通の利きにくいスケジュール上、今年度いっぱいまでに管理計画の策定予定。8年のうちのまずは前期4年分なので、計画上の大きな変化は記されず、含みを持たせたものになるのでしょう。

開成町の現実

以下、一般質問の前提にあった資料とそこから読み取れることです。

HP上で公開されている「開成町公共施設等総合管理計画」から2枚抜粋です。 ↑ 1枚目。データが細かいですが、開成町内の主だった施設が何年建設か一覧で分かるものです。

縦軸が延床面積、横軸が年代です。 左側(70年代)に建てられた施設が多く、右側(2000年以降)が少なく、緑色の南小が抜きんでているくらいです。※2019年築の新庁舎は新しすぎて表に入っていません。延べ床面積4000弱(南小の半分くらい)

2枚目は、築35年で大規模修繕、築70年で建て替えと計画したとすれば、いつになるかを表したものです。真ん中らへん(2030年代~2040年代前半)に、水色の棒が多いです。これはその頃に「建て替え」が必要になる建物が総じて多いということです。紫色は、「大規模修繕」です。 恐ろしいですね。

今現在(2020年代)は、紫の大規模修繕と、ピンク色の「積み残し」が多いです。これは、紫の大規模修繕や、水色の70年建て替えが「いいかげん必要な頃」だとすれば、「もうしてもいい標準的な頃」だけどまだしてない、という状態ということです。

今ある全ての施設を保持し、定めた規定どおりに修繕や建て替えをすると、年平均5億円かかると記されています。(今は資材高騰しているので1.5倍くらい?)

このまま「図書館が欲しい」と無邪気に言えるでしょうか。 前向きな目標を掲げ、明るい未来を夢みることは成長するためには必要です。 でも一方で財源が限られるのだから、しっかりと今ある施設の修繕や、もっとうまく使えないのか等、より厳しい現実に直面する時期にきています。

つづく