一般質問#5教育③コロナ禍で倍増した不登校児童数。現場で増える対応策

 

写真は、開成町庁舎入口横に設置された、小学1年生から届いたアサガオの種。誰でももらって良いとのことで、一袋いただき育ててみます✨ 一生懸命書いたような手書きメッセージが可愛い。 さて年越ししてしまいましたが12月議会で一般質問した教育の話の続きです。内容が盛り沢山すぎましたね。

 ➡①教育の町「開成町」の由来「開物成務」について ➡②小さい町の利点を生かした教育の町づくり 

議場では、①②よりも先に、社会問題化している不登校児童への対応について立て続けに教育委員会に質問していました。 その後に「開物成務」や人材の話でした。 

 平穏としているような開成町でも、一般質問でコロナ前後の不登校児童数を聞くと、倍増していることが分かりました。(本当のポイントはもともとけっこういたということですが、その論点の話は今は省きます。1校に15名強という平均。もっといそうな感じもする。) 

 コロナ禍で長期休校があり既に学校を休むことへの抵抗は親子で薄まり、国からも「学校は無理してまで来なくて良いこととする」と発表されたことで、自粛による欠席の増加が教育長から紹介されました。 感染症に敏感になり、風邪を引いたり病み上がりで大事を取って休むことは、我が家でも思い当たるところがあります。 

 義務教育=教育現場は学校 とは定められていないけど。

 憲法26条で「全ての国民は、その法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。」とあります。 大人が子供に教育を受けさせる義務について定めているものであり、子どもが学校で教育を受けなくてはいけないという法律ではありません。 

 だから、学校以外の場所であれば、教育を受けさせるのは学校の先生である必要は本来は無いはずです。 しかし法では続けて「義務教育は無償とする」ということもあり、実際は公費でカバーされる…つまり教育委員会が担うところに当然の如く行きついています。 ただでさえ教員不足で学習支援員やALTや…といったところにソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなど専門家達の配置も公平にしようと、大変な様子が伺えました。 

 国も、全国30万という過去最多の不登校児童数を受けて、一人一人の寄り添った支援や、学校内に限らない「学びの補償」など次々と自治体に通達しています。➡文科省「不登校児童生徒への支援について」

教育委員会に尋ねた対応策は主に3点

 1点目は、「通常の学校に代わるフリースクールが居場所として増えているが、民間フリースクールは無償ではないので、学校内にそれに代わる部屋を用意して欲しい。」 という要望です。 本町では一部で既に行っているし試験的な動きも始めていると、とても前向きな答弁でしたので早々に期待するところです。

「相談員に相談する」という子が少ないという課題が明確になったので、そういう場所をつくることは、SOSを察知しやすくし、相談員につなげやすくなると思います。実際に当事者からの要望が多いです。自治体によっては、「義務教育は無償なのだからフリースクールに通うための補助金を出して」という保護者達からの要望があります。 それよりは先に校内に避難所のような、安心して過ごせる部屋をつくり、「しんどくなったら行く」「出られる授業は出る」と臨機応変に出来るクッションのような対応が欲しいです。   

 2点目は、インターネットを利用した対応です。 生徒達は学校が支給したiPadを持っています。 子どもが家で過ごしてるなら画面越しに繋がりを持ち、健康状態の確認や遠隔授業ができる技術が今はあります。 また、上記のようなフリースクールに代わる校内の教室で、録画されている授業の様子を見るなど。 

教育委員会としては、今は「一人一台端末」の投資効果を上げるためにも「使い倒すつもりでいたのだから、そのような利用に向けて整えていきたい」とのことでした。 実際、高校生では自宅で画面越しに授業を受けることが出席と認められることになっています。 入院中や、感染症で元気だけど欠席中という場合にも生かせることになります。  

 3点目は、情報発信・周知です。 相談員の存在、いつどこに、また近隣市町を含める保護者の交流会や不登校児童への進学説明会など、官民を問わない支援についての情報発信を国は通達しています。

いざ子供が不登校となれば、保護者がネット上で必死に情報収集するのは当たり前です。せっかく優れた相談員がいる、学校教育に馴染めない子達が通えるアットホームな居場所が町内にもあるのに、子どもが不登校になって〇年という親御さんでも知らないケースが複数ありました。子どもの心に深く関わる話なので、誰でも見られる町広報にバーンと出す必要はありませんが、窓口の分かり易さや、検索してちゃんと情報が出てくるかは大事です。 

解決しようとするのではなく寄り添うこと。議員はさらに、応えること

 お子さんが不登校、という話が身近にいくつもあり、何も珍しくなくなりました。 「登校拒否」というお子さんの強い意思を示す言葉とはやや異なり、学校の環境や教育方針に馴染めない・合わない結果、年間30日以上欠席があることを「不登校」と定義づけられています。

 珍しくない話なので、私が知る親御さん達も特に隠す様子はありませんが、それでも自ら詳しく話すわけではないし、根ほり葉ほり聴くのはどうかなと思います。 今回、議員としてお願いし、10名近い親御さんから経緯など伺いました。  

 今に至る経緯やお子さんの思い、過ごし方は、子どもの性格やし好が一人一人違うように、それぞれ違います。心外だったのは「聴いてくれて有難う」という親御さんばかりだったことです。そう言われて、踏み込み過ぎではと恐縮していた私も救われました。

 人の生き方に「解決」など無いけど、お子さん、親御さん、それぞれ別人格だから、それぞれに寄り添える存在や、苦しさをやわらげる制度があるといい。また「こういうことでしんどい。困っているから助けて」という大衆のなかでかき消されそうな小さくても切実な声には、応えて動く必要があると自覚させてもらいました。