議会改革で注目されている開成町議会①‐ICT化で議員平均年齢も意識も若返る

町のシンボルフラワーが飾られる議場は、そう無いと思います。咲き始めが早かった今年も、6月後半の議会に合わせてちょうど見頃のアジサイが飾られていて良い雰囲気でした。(→飾っている元町職員さん) 花はもうないけど、今日から夏休み中は自習室として開放されます。(→議会からご案内

開成町議会は庁舎3階にあり、そこに議場、事務局員の事務室、議員たちが会議をする会議室、応接室があります。 庁舎が開いている時間帯ならどなたでも訪れることができる廊下ロビーには議会図書室(というか棚と机椅子があるオープンスペース)があります。

先月の一般質問で行った駅前の区画整理事業の話は、約40年前の昭和50年代に遡る町づくりの話です。 音声が自動で文字化されたものをベースに会議録が作成される今の時代からすると、その苦労が手書き文字から滲み出ていて、「古書」として興味深く読めます。 

他市の人から、「議会は議会図書室を設置することが義務付けられているのに、開成町議会は『棚』ですよね。」と言われたのですが、資料のデータ化が進んでいる現在、外部から見えにくい部屋の中で議員だけが勉強する議会図書室は贅沢です。 

2020年に完成された写真の議会図書スペースは、垢抜けたデザインかつ自然光で明るく、町職員の昼の休憩スペースとしても毎日使われているオープンな場所です。(→素敵な庁舎建物の話) その上、貴重資料が手に取りやすく、今のところ無駄がなく必要十分のように思えます。

議会がICT化を進めないでどうするの

神奈川県で一番面積が小さい開成町、そこの議会は5,6月でNHKの取材を受け「日本一開かれた議会を目指して」と題して記事になりました。 他の自治体からの視察もあります。

 

 ICT(インフォメーション・コミュニティ・テクノロジー)化を含めた議会改革が進んでいる開成町議会は、ホームページや動画の充実のほか、議員に配布される専用iPadを宝の持ち腐れにせず、使っていこうという前向きな空気、その技術を学ぶ姿勢が私が議員になる前から既にありました。  

 パソコンが苦手な高齢者や、使いにくい病気や障害等がある方が議員の中にいるなら、それはそれで、そのような住民に寄り添える様々な議員がいるという点で良いことです。 そうした少数派議員へのフォローは必要かもしれないと考えますが、それが多数派だったら、時代の流れを無視している議会になってしまいます。   

これだけ世間では主に民間企業から、そして行政サービスの様々な場でも現在は資料のペーパーレス化(←環境配慮と経費・労力削減)とICT化が推進されているのに、行政(執行部)と対の位にある議会がいつまでも及び腰でいいはずがありません。 

 フォローがあるとしても、学ぶ必要に迫られない一住民ではなく、住民代表として立つ議員なら、「自助」で補習を受けるなど、時代に合ったやり方に自分なりについていくよう努力するものだと思います。 なにも自ら議員に立候補しないで、出来る人や実践する意欲がある人に意思を託して応援する選択肢もあるのだから。 

鳥の目 虫の目 魚の目

  • のように物事を俯瞰し、
  • のような目線で細部まで意識を張り巡らし
  • が潮の流れを読むように時代の流れを読む

↑ 時流を読むという意味の「魚の目」をここでは使いたく検索したら、分かり易いビジネス教養のページがありました。 物事を逆さから見る=固定観念に囚われないコウモリの目までありました。

・・・現に私を後任に、と推してくださった3期務めた70代の前町議は、「iPadで資料の確認や会議をするやり方に、さすがについていけなくなった。自分で印刷するにも限界があるし」と引退理由を最初に挙げます。 でもそれ以外は劣ることはないので、アドバイスは継続して頂いています。 現在の議員の平均年齢は55歳と、経験豊富な現役感がある年齢です。

議員は批評家とは違うので、時流を読んだり机上で語ったりするだけでなく、それらの実践を伴う仕事をすることが望ましいです。  

議会運営のICT化について、標準設定を「できない側」に合わせていては、成長はずっと見込めません。 自助や議会のフォローがある上で、時代にあったものをスタンダードにした方が必然的にオープンになり開かれた議会となるし、若い人も入り易くなり将来性があります。 

 もうお一人、70代の現役議員さんの例。 議員全員に提供されているiPadを「議員をするには、こういうのも慣れないといけないからね」と使いこなしています。向上心を持つ意識が若々しいです。 ブラインドタッチはどうしても難しいとのことで、専用のタッチペンで画面上に手書きでメモを入れる方法を主に使っています。 データの資料は見にくいのでは?と思いましたが、逆に小さい文字の紙資料より、自由自在に指で拡大できるのがiPadの良いところ。  

小田原で行われた財政の勉強会に参加して、他の神奈川県西の市町からの参加者たちが分厚く重たい予算書を持参する中、専用iPadにデータが格納されているのでそれを持って来ていて浮いていた私。↑ 画像右側。 慣れたら本当に便利です!

その他の議会改革について、つづく。