神社費集金がない自治会。他自治会から求められても私が会長のうちはしない。

明けましておめでとうございます。 写真はいろいろ作って、お重を使わずに盛ったお節料理。 あれこれ食べれて、子どもも喜んでくれました。  今日のタイトル、「会長のうちはしません!」と言ってもあと数か月の任期なのですけどね。 なぜしないかと言うと、その慣習がどうこう以前に、当自治会では神社の認知度があまりにも低いためです。

1月会報の一部です。写真と右側文章で、初めて神社紹介をしました。

元旦は、自治会長としてお誘いを受けて、地域の氏神が祀られている神社の元旦祭に出席しました。 12月の駅伝大会の開会式で、たまたまスタッフの一員として参加されていた氏子総代長という方から突然、「初めまして!神社の氏子が云々」と声をかけられ、その場にいた他の会長達も「うんうん」と頷き、初めての駅伝大会だったこともあり右往左往する思いでした。

改めて聞いた話は、「この土地の氏神に対して、そちら(当自治会)を含む5つの自治会が地区としては氏子に当たる。 しかし、そちらの自治会はこれまで氏子として維持費も払っていないしお札も配布したことがない。 それは総代側が何も声かけや紹介をしてなかったからだ。申し訳なかった。 今後は改めて資料も配布するので、宜しくお願いします」 というものでした。

 うちの新興マンションの自治会は例外ですが、一般的には自治会や町内会で、その土地の氏神が祀られている神社の維持費(寄付金)を集金したり、お札を自治会を通して購入したりする例が多いようです。 ネット上では賛否両論があります。

場所が分からず、存在感が希薄な氏神様

 実際には、当自治会の設立前には昔から続く隣の自治会と数年だけ一緒だったことを考えると、独立当時の役員間で「うちは神社関係の業務はしない」という判断があったのではと思われます。 

 うちの自治会は、新興住宅街の駅前マンション住民で構成されています。 地方の家の管理が難しくなった高齢者や、共働き等の現役世帯の多くが利便性を求めて移住してきました。 

 出身地や背景様々な住民達が 「そうか、この土地の氏神はここだったのか!皆で大事にしていきましょう」・・・と今更知って、共通認識として持てたら、それは確かに地域の絆を強くするし精神的な支えになると思います。 しかし信仰問題に敏感な昨今では余計に、下手に推し進めることはできません。

そもそも、氏神が祀られている神社といっても物理的に徒歩30分程(駅と反対方向に)と当地区から少し離れており、自治会で見ても隣の隣の隣の地区。 古い住宅地の細道を抜けた先にあるので、当地区の住民は、普段の生活でほとんど神社を目にすることがありません。

上記のとおり祭事の話は普段から何も入ってこないし、場所はおろか存在自体を知らない人が多いと思われます。 (私は町の祭りの帰りに偶然、立ち寄りました。あと子供と「神社の砂地にはアリジゴクがいるかも!」と探しに来たことがある。 あと元旦祭と、3回目。) 

 私は過去にキリスト教徒が多い国に住んでいました。 そこでは教会が大小至る所にあり、氏神としてもコミュニティの中心としても機能していました。 そんな経験から、国内外で引っ越すたびに「まずはこの地の神様に挨拶を…」という、その土地の氏神を敬う信仰心が生まれています。 それが、この町に来たときは間違えて別のもっと近所の神社(隣市)に行ってしまったし、ご近所さん達に「初詣はどこに行くの?」「七五三はどこで祈祷すれば?」と尋ねましたが、その神社の名前は誰からも上がりませんでした。

町(自治体)はどういう立ち位置か?

普段は閉じているけど、元旦祭でおめかしされた神社。 そして氏子総代の皆様✨ 少々反射しましたが凛として規律よく、良い写真だと思います。 総代の皆様は、前日夜中までお焚き上げ片付け、そして朝から元旦祭準備とのこと。 頭が下がります。

聞けば、氏子となっている各自治会から2名ずつ3年任期で担当しているとのこと!!・・・自治会役員が更に増えるような感じでしょうか? 

存在が遠くて馴染みもないし知られてもいないという事実が1番大きいですが、「神社そのものと祭事等の慣習を守るという認識を自治会内で共有できている」という前提も、うちの自治会の状況とは異なりますから、同じことをしようとしたら、反発必至。 

そういう前提を飛び越えてでも「その土地」である限り氏子として自治会が協力するのは当然と、他の自治会長達が思っていることから、一応、町に確認しました。 



町は、自治会が決めることであって関知しないとのことでした。

しかし元旦祭には町長も議長も、別の町に住む県議員まで来ていて、地域の慣習として大事にしている姿勢は伝わりました。

神社内部には400年の歴史を魅せる木画がズラリとあります。 これは慣習と建物とともに町の文化財として残ったら良いと思います。(そのためには、もっと知られないと。)

歴史に残っていくことは当たり前ではない

当地域で維持費集金などの協力を新たに始めるなら、まずは時間をかけて神社そのものと祭事等の慣習の周知が必要で、その上で住民たちの判断になると総代長さんにお伝えしました。 旧態の自治会の常識は、新興自治会では常識ではありません。 総代長さんは「それはそうですね」と事情を察してくださいました。

 自治会長は2年毎で変わるし、説得したいことや異論があるなら継続的に声を上げて頂き、また話し合えば良いと思います。   

 私が前向きに協力出来ることとして、周知も浅いうちからの集金はせず、とりあえず上の会報の写真のように紹介を試みてみました。 また、現在の状況や考え方は次期会長に申し送りしておきます。 そして周知に留まらず自治会として動くかは、そのときの役員の判断や住民の声によって左右されていきます。 

参考(2点。 どちらも記事最後に生き残りをかけた前衛的な打開案があると思ったら、2点とも同じ人が関係していた):「知られざる神社の台所事情」NHK news up : 「単なるパワースポットではなく地域のアイデンティティとしての神社」國學院大學メディア