開成町のPTA会長は歴代男性100%?近隣市町の住民に意外がられる古い体質

先日の土曜日には、コロナ禍で縮小された運動会が無事に行われました。 2つの学年が一緒になった3部制で1時間ずつという短いものでしたが、種目は詰まっていて、子ども達はやり切った満足感に満たされた様子でした! こういうかたちでも開催できて良かったし、有り難いです。

翌日は急な寒さがニュースになる一日でしたが、我が子は楽しみにしていた、おじいちゃんとの海釣り! 寒くて震えつつも、ほとんど人がいない広い砂浜と、波音しか聞こえない中の海風は気持ちよく、また父がその場で湯を沸かして淹れたコーヒーが美味しかったです。 

開成町はいろいろ新しいと思ってたのですが

実際に住んでみると、3人子供がいる私の場合は、特に教育面でそうでもないと気付かされます。良し悪しは別として。

役場にも一見、女性職員が多いですが、男性にとっての花形なのか、街づくり推進課や産業振興課などは男性ばかりですね。女性上司がいるのは「いかにも」な子ども健康課などだけです。 街づくりにも産業振興にも女性視点は当然、必要だと思いますが、町の考えは違うのでしょうか。

 

今日ピックアップするのは、園の保護者会や、PTAという、親にとっては保護者という立場で行政と繋がる組織について。 PTAなど、わらわらと動く実務参加者の90%以上は女性なのに、会長だけは必ず男性という男尊女卑の世界です。 この対比は自治会よりも重症です。 

最初にこの対比をハッキリ教えてくれたのは、都内でお勤めの女性弁護士さんでした。(→「生活者目線 政治にない」と東京新聞に語っていた武井由起子さん)

たとえば今年度の町内中学校は、本部役員7名のうち、男性は会長と次期会長(現副会長)の2名のみ、その他5名は女性です。 本部役員以外の委員会の総人数67名の保護者のうち、女性は9割以上の62名を占めます。

こんなにも女性が関わる率の高さにもかかわらず、「長」だけが常に男性なのは歪(いびつ)です。 

また共働きが前提の保育園ですら、実務(平役員とも言う)は男女半々に近いものの、会長は必ず男性です。

それは町役場(行政)が足を引っ張っているから。

 PTAとは保護者の集まりであり、役員を決めるのは保護者による管理委員です。 だから町職員に指摘しても、「それは保護者間で決めたことですから」と突き放すように最初は言います。

 しかし現PTA会長は町の職員から「あなたがやりなさいよ。会長は男の人がするものだから」と声を掛けられています。 他にも学校の先生と役員達から「例年、男性ですからね」と言われ、会社勤めで不在中の役員会議でくじ引きに名前を加えられて、当たったパパもいます。 (こういう方は、有給がPTA業務で消えます)

園の保護者会長も次期会長も、例年、園の先生から 「会長は男性ですから。 副会長も来年会長になるから、男性です。だからあなたお願いできませんか?」 と性別指定をされて、就任されています。 幼稚園でも同様のようです。

(この話はいずれも、会長や次期会長等のパパ達、先生方、町職員達から直接聞いた話と、私が目の当たりにした話。)

町の職員も、園の先生も、 「男性はけっこう、『そういうものか』と引き受けてくれやすいですから助かるんですよね」と仰っていました。  

とくに、「園」という最初に保護者として関わる保護者会で「会長は男性」と言われたり、どこの先生方も当たり前に会長は男性だと思っていたら、小学校でも中学校でも、行政に関わる組織はそういうものだと先入観が続いてしまうんですよ、と言っておきました。

開成町は、女性参画を謳っていますよね?  町の主張に反したことを町の職員がしています。 少なくとも職員が性別を指示することは辞めるように、それは教育課が言うべきことではないですか?

と、私が話をした教育課の責任者も、そのほかの現場の主任の先生も、開成町民ではありませんでした。

「へ~。小中もずーっとPTA会長は男性ばかり? 開成町って、意外と古いんですね! 私の〇〇市では、もうPTA会長は女性が何人かいますよ。  女性のPTA会長さんでも、もちろん何の問題もありませんよ」

なんて、別の市町に在住する人達なのに、全く同じことを仰っていました。

PTA会長が男性ばかりだと何が問題なのか。

私はつい最近までは何も問題視せず、「やれる、と言ってくれるなら任せたらいいんじゃないか(クジの人は可哀想だったけど)」と思っていました。 

しかし偏り過ぎは問題です。 時代が、女性参加を!!という流れなのはやはり理由があって、そうしないと要所要所で問題が見過ごされ、弊害が女性に巡って来ます。 公的サービスや教育問題など、男性が母や妻を想って考えてくれても、やはり当事者ではないので、抜けてしまう視点があるようです。

女性が「決め事を決める場にいない」弊害が、震災のときの避難所問題で、具体例をもって全国的にクローズアップされました。(段ボールで仕切られた場所での着替えや、そこで寝る危険、生理用品の支援など)

PTA会長に関して言えば町職員ではないので、「決め事を決める場」ではなく、「決め事を確認する委員会」などに代表の一人として駆り出されます。

珍しく女性自治会長となった私が驚いたのは、開成町で地域の人(PTA会長を含む、様々な組織の代表になっている住民) を含める町主催の委員会です。 地域の人・・・と言いながら男性ばかりだったからです。  ➡青少年問題協議会の感想ブログ   

何が問題?という以前に体裁が悪すぎると思いましたが、長年のことなので、疑問視されないようです。  町づくりも福祉も、何でも男女半々が関わる日常生活に影響するのです。 様々な場面で女性率が上がるような努力が行政にあってもいいんじゃないかと思いました。

問題を知らないから問題提起する場にも立っていない女性達

 開成町の職員さんで、PTA会長経験者は以下のように言ってました。

「町主催の委員会も、何か企画するなどではなく、年1度程度なので確認が主ですから、大したことしていないから問題視しなくても大丈夫。」

「PTA会長て、県Pと言って会長だけが集まる会議があって人脈は出来る。でもあれも色々と無駄が多い」

そうした他地域を知って人脈を作る機会や、町の様々な分野から集まる要人と知り合う機会、また行政に関することは無駄が多いなぁと知る機会・・・ そうした機会をそもそも女性には与えられてないのですよ、と言いました。 あくせくと実務をこなしている多くの女性達は、その組織のトップが何をしているのか知りません。 

PTA会長の多くは別所にお勤めするパパですから、ママ達のおしゃべりで会長業務の話が伝わりにくいです。 「成人教育」「広報」「厚生」などの委員はクチコミで知れ渡っていても、会長職に関しては「どうせ男性がすること」とママ達の関心はありません。

会長職の業務に問題があったとしても、自分の仕事がありながら決まったPTA業務をこなすのが精いっぱいなパパ達、さらに任期1年なら、「そういうもの」と割り切ってやり過ごし、改革までしようと思わないのが普通です。 あるパパの考え方も、「おかしいと思う。 長く続いてしまっていることだし、行政が動かないと変わらない。」と当然、動くのは行政側だというものでした。

さて開成町は『男女がお互いの人権を尊重し、共に責任を担い、性別にかかわりなく、だれもがそれぞれの個性と能力を発揮できる社会をめざします。』 としています。➡ホームページ内、男女参画「かけはし」案内など。

教育課長に「各所の先生達に性別で指定するのは辞めるように伝えたらどうですか、その後の先入観への影響が大きいし時代錯誤すぎる。」とは伝えましたが、そこまでです。 そろそろ役員決めの時期ですね。