一般質問#7②特別支援学級とインクルーシブ教育、ドイツの例は。

暑い日々ですね!!暑すぎて最近は「畑で東南アジアの野菜や果物を育てている…」という話を耳にするようになってきました。 子ども達の夏休みはどういう生活になるんだろうと思いやられます。

前回の続きです。一般質問では「教育基盤の強化策を」と聞きながら、地域に開かれた・地域の住民を巻き込んだ学校という話を特別支援学級の課題をもとに進めました。

「特別支援学級」がインクルーシブではないという指摘

一般質問では「インクルーシブ教育とは?」という聞き方はしませんでしたが、答弁では県が定めるインクルーシブ教育、という大きな括りのなかで、必要に応じて特別支援学級に通級しながら所属する通常級で過ごす…といった説明がなされました。

そのような日本の公立校のシステムに対し、「インクルーシブ教育はその名の通りinclude(含む)という意味なのに、日本では特別支援学級を設けて分断させている」という国連からの指摘があります。

そうは言っても実際に、集団が苦手な子や、特性に合わせた学びを少人数で行ったほうが良い子達もいるので、臨機応変に選択できるというのが安心感はあるかなぁといろいろな話を聴いていて思いました。開成町は大体30人もいる学級なので。→ 昔の差別的な捉え方から、時代が進むに連れ表現方法が変わったり、さまざまな可能性を検討している様子が分かる「知的障害教育の変遷過程にみられる特殊学級の存在意義」というものが参考になります※関心が強い人向きの長い文献

近年の特別支援学級で出てくる課題とは、突き詰めると「教員不足」だと断言する関係者が少なくありません。開成町でも、一般質問のなかで「なぜ新任教員が特別支援学級を担当することがある?」の答えは第一声に「昨今は教員不足」とのことでした。※今後は無くなるだろうという答え。

問題は開成町がなにか、というより国の方針になってしまいます。 国が市町村に求める教育「教員みんながチームとなり、特性がある子を含めるひとり一人への丁寧な学習支援!」という内容に対して、国が定めている教員一人に対する児童数が多すぎること(35人)や、そもそも国の教育予算配分が少ないことに起因します。 

学校に上がる前の未就学児の療育に関しても、ここ足柄地域では官民連携が推し進められた2000年代に、県の専門機関が閉鎖されました。 通っていた親御さん達からは、公的予算削減だったのだろうと言われています。 日本の「失われた30年(もう40年?)」では教育予算割合も減らされている。 発達障がいの早期発見が出来るようになっている今は、同時に早期療育が望まれるものですが、施設が町外の大きな市に限られるために半年待ちや、望んでも月数回だけ通えるといった状況とのことです。 教育分野は、福祉と医療機関とのより強い連携も望まれています。

ちなみに海外は?

海外に関するネット記事は沢山あるけれど、私が知る現場はドイツの小学校。上に載せた集合写真とクラス内の写真は、我が子がドイツの現地小学校に通っていたときのものです。(リュックが椅子横にありますが、通常はロッカーにしまっていました)  

生徒は上限20名のところ20名、正規教員は担任と副担任の2人でした。 生徒のうち、学習支援が必要な子が1人。その子への支援はあったけど、その子だけが別に行く特別支援学級というものはありませんでした。想像すると非常に違和感がありますし、クラスメイト達が「大丈夫だよ」と言いそうです。 その他、外国人は国名バラバラの4人(ハーフを合わせるともっといる)、食事内容が違うイスラム教徒が1人、特別補習授業があるカトリック教徒が4,5人 とバラエティに富んでました。

うちの子はドイツ語の物語を読むことが苦手なので、お勧めのホームワークとして教科書内容に即したオンラインテキストを紹介されていました。算数は抜きんでて出来たので、算数の授業では一学年上の問題集に取り組んでいました。子ども達はそういった個別対応は自然なことのように、楽しそうにしていました。

今思えば、勉強に関しては担任、その他生活面などに関しては校長、と相談体制が整っていて、校長室が正門に近く、相談しやすい環境にありました。 校長が「それは○○カウンセラーと話しましょう」「それは学童の○○に伝えておく」など一括窓口となり采配を振るっていました。 (いくつか知っている現地の幼稚園や学校のなかで、園長・校長先生は女性ばかりだった。たまたまだろうけど…)

日本は財務省が渋りコロナ禍でようやく1クラス最大40人→35人に変わったばかりだそうです。正規教員が一人だから非正規の「学習支援員」や「生活支援員」の加配がされています。支援員の人件費は市町任せだから、支援員がいるだけ有難いこと。 ただ一見難しそうな特別支援学級担当であっても、あくまで非正規の補助員扱いで低い時給 とのことです。

・・・ ➡ ここまで書いて届いた反響や、日本では超少数派のインクルーシブ教育を貫く小学校の話などに続く