子供のクリスマス会を自治会館で。地域コミュニティの起点となる自治会館・公民館は利用されているのか?

地域コミュニティ、小さな繋がりから、共助・・・こんなワードが昨今、大事なこととして伝えられていますが、それで昔から在る地域コミュニティの起点、自治会館や公民館の利用は増加していますか? 

(写真はもう6年間、主催スタッフになっている自治会クリスマス会。子ども達が毎年持って来てくれる飾りでツリーや壁は十分、賑やかに演出できるようになりました。)

ここの自治会館は特殊です

当自治会館は防災訓練や敬老会など主だった自治会活動以外にも、コミュニティ造成施設として活発に利用されています。 

駅前に位置する自治会館は便利で安価なレンタルスペースのような感じで、近隣市町を含めて自治会外からの利用が多いです。 その割合は自治会員3割、非自治会員7割という驚きの差があります。 (ご参照:「自治会館レベルでも受益者負担を考える①」 「〃②」

しかし管理や清掃、備品調達は自治会員・自治会費に依るものです。 近隣の自治会館の使用頻度は、会議以外で週に2回程度、2,3時間ずつ使われているのが多いかな?とザッと見渡して思います。 当自治会は毎週、週に7回以上30時間ほど使われています。 さすがに、専任の事務員を必要としています。

例えば、もし便利な「町民のための町立施設」が造られ、町民の税金で運営し、町民がボランティアで清掃をせっせと行い、トイレットペーパーやゴミ袋を補充し…という場所が、実は町民の利用が3割しかなく7割も町外の人のため(同等のサービス)だったらどうでしょうか。 

この誰も知らなかった数字を調べて会報でつまびらかにし、昨年度には町外利用者の負担増(と言っても準公的施設なので安価)、また日常の清掃は利用者に徹底して行うよう求め、定期的な清掃は業者委託することにしました。 

ヨガ、ダンス教室に手芸、太極拳…充実の趣味教室について自治会員が知る内容は1割だった

さらに、「ではその非自治会員の多くは、うちの自治会館で何をしているのか?」 それは、様々な教室・サークル活動です。 それらに少数ずつ会員さんは入っている場合が多いものの、100%自治会員のサークルや催しも少なくはないです。 

会報に載せる自治会活動…今月ならクリスマス会や防災部のAED講習会、また定期的な会議は、自治会館の全体の使用頻度を考えると月の1割を占める程度でしょうか?

会報に載せる自治会活動しか会員に伝わっていなかったので、会員はその内情を1割しか知らなかったということになります。 私はこれを、回覧板や掲示物、ホームページを見れば「このくらいの頻度で、このような使われ方をしているんだな」と8割は普通に知ることが出来るように務めています。 ➡自治会ホームページトップページに使用状況カレンダーがあります。

タコ焼き作り・クリスマス会で会館を利用する我が子&クラスの友達。 炊き出しで利用する大きな調理器具を使ったり、みんなで机や椅子を設営したり、卓球などで遊んだり。「こんなに広いところを借りられるの?すごい~!!」と大盛り上り! 「みんなが住んでる地域にも、自治会館あるよ!」と教えました。

回覧板でもたまにアピールして、会員の個人利用がじわりと増えました。 さらに趣味サークルも会員の紹介で増えたり、「自治会員が多い方が割安になるから、そちらの自治会でメンバー募集をして欲しい」といった要望が出ているので、近々もう1度会報にまとめたいと思います。 住民にも刺激になったり、「参加してみようか」と思うものがあれば幸いです。

全国的に地域コミュニティの必要性が唄われている割りには、 

地域コミュニティの基本の基、となる自治会館・公民館の存在が薄い気がします。

でも、それでいいんです。 増えたら自治会役員が大変ですからね。  自治会役員はボランティアであり、町の職員ではありません。 うちみたいに、利用が増えたからやむを得ず専任事務員を置いても、追加負担は町から出ません。事務員さんのボランティア精神に甘えている実状です。 

それに、カギの管理や料金受取を自治会役員が個人で行っているケースが多いので、実際、利用に不便な面が多いと思います。 (当マンション自治会はその点は楽で、カギ管理だけは24時間オープンの管理棟が無償で担ってくれています。) 

町が使用実態を意識を持って把握して、鍵管理の仕方を勉強して何らかのサービス提供すれば変わるかもしれません。 例えば、各自治会にオートロック・パスワードボタン入力の機械を設置、修理を担うなど。 アナログ・デジタル併用にすれば、利用者が高齢者から若者に引き継がれやすいのでは。 対話の機会は、それからいくらでも作れます。

自治会活動が活発だと町は誇って言いますが、視点が偏っています。 使用頻度に疑問を抱かず、利用の不便さと役員の運営負担については健気な役員の良心にまかせっきりです。 役員も長年の当たり前なので「大変なんだ」と愚痴は聞こえますが改善となると困難です。 

 自治体がこのままの姿勢だと、人口減少・少子高齢化の自治会・町内会の公民館は、役員の世代交代と自然災害増加ともに運営・維持の負担がのしかかります。 ゆくゆくは自宅の管理すらままならない世帯が増えてくるでしょう。 防災拠点の役割を含め自治体や民間企業に修繕・管理を請け負ったり引き取ったり、統合したりして欲しい、という要請が出てくるかもしれません。