文化祭感想③開成町は垢抜けない田舎の良さを魅せる先進性があるはず

①賑やかなゴチャマゼ祭り ②町主催の環境フェアはどこに? の続きで、やっと文化祭展示の中身に触れる話です。 注:これらの感想は閉幕直後に町職員に伝えています。 

写真の盆栽は、文化祭当日に合わせて最大数の柿の実り、色艶を最高の状態に持ってくる技術など、自然相手なのに唖然とするほど素晴らしかったです。 

重心のバランスが絶妙で、全ての枝が上向きで青々と密に茂り、生命力みなぎる作品
1枚もしおれずに、緑から赤へのグラデーション全てを魅せている。周りの絵や手芸品なども、どれも感嘆するものでしたよ~✨

 ・・・盆栽には普段とくに興味がない通りすがりの観覧者の私でも、「こんなところに、こんな達人技が!?」とギョッとした一帯でした。 これらの作品は、開成町民しか分かりにくい話ですが、やや複雑な構造の建物「町民センター」の入口が最もうす暗く、最も素通りする人が多かった1階のフロア(普段は保険センターの待合スペース)に展示されていたからです。 

なぜ、町民の力作を展示するのが第一目的の「文化祭」というイベントで、上の写真、スペースたっぷりの美しい新庁舎に作品をたった一つも並べなかったのでしょうか? 

窓際に盆栽や生け花を並べて低めの仕切りを設けたら華やかな展示空間になり、力作がもっと陽の目を見ただろうに。  ①で書きましたが、理由は「担当課でスペース分けしていたから」です。(庁舎を利用する課には、文化祭担当課=生涯学習課は含まれなかった) 

イベント全体を俯瞰して見る担当者がいれば、各所を連携させたり全体図を大きく分かり易く表示するなどして、せっかくの作品を効果的に魅せたりスペースを有効に使えたことでしょう。 

なぜ文化団体・町民の文化意識が軽んじられていたと感じられたか?

それぞれのブース毎に見れば、一つ一つは楽しかったです。 それが全体的に見ると、文化事業も来訪する町民のことも、ぞんざいに扱われているように感じられるのは統括者がいなかった弊害です。 

盛り沢山が過ぎる内容があちこちに詰め込んであるのに、分かり易い地図案内も休憩スペースも設けられていませんでしたから。 販売ブースは幾つかあるのに飲料販売は一つも無くて喉が渇きました。(どこにでもある自動販売機ならある) まだあります。

芸能発表と展示発表は紐づけて

3年振りの文化祭、舞台発表をする団体も、展示用に出品する人達も、どれだけの期待感があったでしょうか。 

舞台発表は、20近い団体の演目が朝から5時間以上ぶっ続けでした。 途中休憩が4団体ずつ20分あると言っても、ハナから「全て観る人はいない」とみなしたプログラム構成です。 私は朝、昼、午後と数団体ずつ知り合いがいましたが、5時間座り続けることは出来ないので、残念に思いながら午後だけの鑑賞としました。 

そう事前に分かっているなら、後日の文化祭で(庁舎にあんなにスペースにゆとりがあるなら尚更)鑑賞ブースを作って録画した舞台発表映像を流せば、より多くの人に見てもらい、活動が周知されたことでしょう。 

そんな無慈悲な・・・と思った「想定しておりません」

町が主催する年一度(3年振り)の文化イベントは、町民の皆さんのために、コロナで単調になりがちな生活に潤いを与えるイベントと位置付けることも出来ました。 

しかし開催中の土日は、町中を走る福祉コミュニティバスが運休しています。 横長の開成町で、横道を走る公共バスはありません。 足がない、家族もいないけど行きたいなぁ…と心の中で思っている高齢者はどうすればいいのでしょうか? そういう人こそ、楽しみにしそうな行事です。 

今、開成町の人口増加は、町の中心部ではない駅周辺で特に起こっています。 50年以上続いている文化祭とはいえ、より小ぢんまりした規模で高齢化でもない50年前の町と今は違います。 利便性を求めて駅周辺に移住してくる高齢者は、車を手放している人が多いのです。 そういう町民達も気軽に文化展に行けるように、臨時でコミュニティバスを運転する案はありませんか?

そう町職員さんに尋ねるも、「車がない人は、徒歩か自転車でお願いします。 臨時運転は想定しておりません」 との返事でした。  

文化意識も行動力も、もっと高くなるキャパがこの町にはあります

開成町は様々な地域からの移住者が増え、古き良き文化と新しい発想が融合する町です。 融合させることで互いの良さが際立ちます。 日本文化も外国に認められてると第三者目線を知って、その良さを再認識するものです。 それが小さな町中で可能になる、そんな可能性に対して、町職員の誰が誇りに思いワクワクしているのでしょうか? 数字上だけでなく肌で感じる、町民の文化意識と行動力の伸びしろがあります。 

その割には文化祭は①②③と書いたとおりです。 さらに言えば、作品群に新しい分野で活躍する住民…明らかに存在するのに、引き込んだり紹介したりする努力が見られませんでした。

 で書いたような、最先端技術を盛り込んだ立派な新庁舎は、それを取り巻く人材の意識と行動が伴えば、「最先端の新庁舎」以上の発展があります。 もう「そういえば庁舎も当時の最新でしたよね!」と振り返るくらいを目指した方がいいです。   

勢いがある、実際に若い世代が流入している、ニュースになる新庁舎がある、そういう町が新庁舎で主催するイベントには、これまで通りの垢抜けない、古き良き田舎行事に加えられるモダンなエッセンスが無限にあるはずです。 今現在は、その可能性を持て余していることがよく分かった二日間に渡る町主催の行事でした。

※もし酷評に聞こえたら、それは期待の裏返しということ!