子どもの孤食を防ぐ「子ども食堂」。今後、共食の機会はどう広がる? 

孤食を調べ始めると、「共食」という、あえて作られた「共に食す機会」という意味合いを持つ言葉が使われていることに気が付きました。 でも、まだその言葉に広がりは感じません。 世相を映す「食」の熟語には、かつての「飽食」よりも今は「孤食」が社会問題化していると思います。 これからは、「共食」強化? 

「孤食」で私がパッと想像するのは、一人暮らしのサラリーマンか高齢者です。 でも近年はそれ以外に、核家族の親が共働きなので子どもだけで食事…というケースが増えていると見聞するようになりました。 身近にも、とくに長期休暇中などは多い様子。

そこで、「みんなで食べよう。温かい食事、心と体の栄養になる食事をしよう」という「子ども食堂」の運動が全国で広がっています。 神奈川県には「子ども食堂・地域食堂ネットワーク」があります。(開成町のは登録されておらず、近くでは小田原の「児童館連合」があります。 余談ですがそこの代表者の方から突然連絡を頂き、やり取りしていたことが最近ありました。 活発に活動されているママさん!)

はじめてお邪魔してみました。

今日は↑上の画像にある「子ども食堂」に誘われて子連れで食べに行きました。 意外に食べ応えあるボリュームでデザートまで!

尚且つ、コロナで久し振りにテーブル食が可能になったお祝いの気持ちか、くじびきまであり子ども達は大喜びでした。 続々と親子が来てはスタッフの方々が声を掛け、皆がにこやかに話の輪に入っていき、食事を始めたり、テイクアウトしていました。 

コーンかと思ったら体に良い大豆、ほどよい柔らかさでとても美味しかった!デザートはイチゴジャムのババロア♩

これでなんと子供は無料・大人は300円です。 他人に用意してもらう食事の美味しさは格別です! 昼食を考えることもなくなり、気持ちの上でもとても助かりました。

「子ども食堂」は開成町子ども子育て支援活動助成事業の一つ

私が代表を務めるASOBI隊も同様なので、内容などは以前からよく知っています。(➡開成町役場HPの該当ページ)   ASOBI隊メンバーも関心があり、食堂サービス開始直後に訪れていた仲間から話は聞いていました。

子ども食堂は、開成町で福祉事業を展開している一燈会という社会福祉法人が運営を担っています。

今回お誘いしてくださったのは、「開成町ひとり親家庭の会 つくしの会」代表の三浦さんでした。

こちらのブログで書いた女性参画会で知り合って以来、たまに近況報告の連絡を取り合いつつ、夏休みにはASOBI隊の活動に呼ぶなど、ゆるやかに繋がっています。 (➡ブログ内町内公益団体の女性代表交流会

つくしの会は単独で一人親家庭に食材提供をしている一方で、子ども食堂が出来てからは、そちらにスタッフとして入ることが多いようです。 (➡つくしの会、食品ロス削減で子育て支援…のタウンニュース記事

したがって、子ども食堂は一人親世帯に向けられたサービスという側面を持っています。 運営を担う一燈会によって、保護者の数にかかわらず、町内の親子全体に向けてより幅広く開かれ、保護者の息抜き・家事軽減・交流なども目的とされています。 

続々と親子が訪れて賑わう室内。くじ引きで1等のお米を当てた子ども達に拍手喝采!うちは2等のお菓子を当てました^^ 当たりくじが多くて良心的でした。 景品内容も、寄付された食材から。

自治会の備蓄品も余ればフードバンクに

関連する情報として、先月、町から自治会に回覧するよう依頼された資料に「中栄信用金小 フードドライブ支援活動」の案内がありました。 定期開催となっており、今回は12月末までです。 募集する食品は、

1】常温で保存できる【2】開封されていない【3】賞味期限が明記され残り2カ月以上あるもの。

アルコールや生鮮食品、冷凍・冷蔵食品、賞味期限記載のないもの、外装が破れているものは不可

とあります。 

自治会の備蓄品にある保存食は、使う機会がなければ防災訓練時に調理実演をしたり欲しい人に配布したりしますが、それでも余る場合などは、こうした機関に寄付する選択肢もあると、当自治会の防災部に相談しました。

中栄銀行のほか、上記「こども食堂」など足柄地域の団体やご相談のあった社協や個人に配布する報徳食品支援センター も、この辺りでは大きな食糧支援拠点の一つです。

子供の孤食は深刻だけど、大人の孤食もそれなりに…。

独居の成人~高齢者が増加しているのは、データを示すまでもない事実なので、孤食人口も比例して多いはずです。 (家族がいても、多様化する生活習慣で重ならず「そういえば孤食」という機会が多いです)

よほど健康に気を付けて一人暮らしを謳歌している人以外は、孤食習慣が長く続くと自分だけのために3食きちんとバランスを考えた食事にはならず、栄養も食事時間も適当なものになっていきやすい。 そして今は孤食を大きな要因の一つとする、高齢者の健康被害が増えています。

コロナが収まれば、仲間内で会食する機会や、常連さん同士で仲良くなりそうな食堂や呑み屋が復活するでしょうか。

「子ども食堂」は子どもや親子向けで、経済的支援や充実した食事提供に留まらず、楽しげな交流の場になっていました。 

子どもを抜きにしても、そうした場… 孤食➡共食の場があちこちで求められる社会になっていきそうだと、「子ども食堂」から広い道路に出たときに感じました。

なんとなく、個人主義とか、自立とか自助共助とか、コロナで追い打ちをかけられて、ちょっと疲弊している感じがします。 ワイワイと賑わう場や、一過性ではない人との繋がりが、本能的に癒しとして求められているような。 しかし、そもそもそうした良さを知らない人達が増えているかも? それは社会が貧弱になる気がします。

 以下のリンク記事には、増加する孤食の状況と、高齢者同士が集うサロン活動の事例があります。 「みんなで食べるとうまいなー。楽しいなー」という箇所が実感がこもっています。(➡農林水産省「一日の全ての食事を一人で食べている「孤食」の状況」) 

 何か早速自治会に活かそう!というわけではないけれど、様々な住民を知るうちに気になっていた状況だったので、今回「子ども食堂」をきっかけに少しだけ掘り下げてみました。